TROPE ORIGINAL - Apple Tee L/S🍎💜
Illustration by Ray Gurz @lostsoulskateboards
Design by Kanako Takeuchi (TROPE)
このTシャツのプロジェクトは、今から6年ほど前に私TROPE店主の竹内がりんごに取り憑かれる夢を見たことから始まりました。
ある晴れた昼下がりに駒沢公園を歩いていると様々な形をしたりんごに出くわし、しまいには目に映るものすべてがりんごに見えてしまうという不思議な夢でした。
当時お店の近くに美味しいアップルパイを提供する売店があり、疲れたときや気合いを入れたいとき、私はいつもアップルパイを一切れ買って食べていました。パイの中にぎゅっと詰まったりんごを口にするたび、生命のエネルギーが体中にみなぎるのを感じて、元気になれたのです。
人類のはじまり、生命や歓喜、知恵のシンボルとして、古くから大切に扱われてきたりんごです。ビートルズだってスティーブ・ジョブズだって、みんなりんごに魅了されてきたではありませんか。
私は次第にりんごという存在に対して特別な想いを抱くようになり、畏敬の念すら感じるほどでした。
そんな調子のまま2年の時が過ぎ、2022年に世田谷美術館で開催されたグランマ・モーゼスの展覧会では、彼女の代表作のひとつと言われる「アップル・バター作り」を観ることができました。
モーゼスが暮らしていた村での晩夏の恒例行事、アップル・バター作りの工程を楽しく描いた作品で、画面の中には りんごを摘む人、皮をむく人、大きな鍋のなかみをかき混ぜる人など、様々な作業にいそしむ人たちが可愛らしいタッチで描き込まれています。
ここでもりんごは自然の恵みを象徴するものとして、愛らしくも神々しい存在感を放っていました。
「やっぱりりんごなんだ。」私は思いました。
ところでここ日本では、とくに肌寒くなる季節に食べるりんごの味は格別です。
秋冬にりんごモチーフの服着るの可愛くない?とぼんやり考えていた初夏のある日、アメリカのペンシルベニア州に住むスケーターでアーティストのRay Gurzから連絡がありました。
“Do you need any more drawings or ideas from me? Feeling very creative lately and would like to help”
彼は非常にクリエイティブなエネルギーに溢れた熱い男で、いつもスケートボードやアートを通して近くや遠くの友人のために役に立つことを考えています。このときも、私のお店のために何か手伝いたい、と申し出てくれました。
そこで私は、Rayにりんごの絵を描いてもらうことを思いついたのです。
それからしばらくして彼から送られてきたのは、とぼけた表情ですくっと立つりんごの絵でした。
その佇まいは畏敬の対象とは一見ほど遠く、もっと滑稽で、親しみやすいものでした。
それはまるで、りんごの姿をした私自身のようでした。
りんごの姿をした自分…
結局のところ、私は一体なにを表現したかったのでしょう?
正直私にもよくわかりません。
ただ一つ言えるのは、人生にはしばしばこのように、ささやかで奇妙な出来事が訪れるということ、それをここに表明しておきたかったのです。
そして最後にこの言葉を、りんごになってしまった私と皆さんに捧げます。
“An apple a day keeps the doctor away.”
一日一個のりんごで医者いらず。
(この物語は実話をもとに創作したフィクションです。)
